映画レビュー

【ネタバレ感想】『さくら』ありふれた家族の、きれいごとじゃない物語。

今回ご紹介する映画はさくらです。

矢崎仁司監督による作品で、芥川賞作家の西加奈子さんの同名小説を映画化。

主演は、北村匠海さん、小松菜奈さん、吉沢亮さんが配役。

とある家族の愛が崩壊し、再生するまでの物語。

今の現状だからこそ、家族について考えさせられる映画。

映画『さくら』作品情報とあらすじ

作品情報

原題 さくら
監督 矢崎仁司
原作・脚本 原作:「さくら」西加奈子
脚本:朝西真砂
出演 北村匠海
小松菜奈
吉沢亮
主題歌 東京事変「青のID」
制作国 日本
制作年 2020年
上映時間 119分
おすすめ度

あらすじ

引用)映画『さくら』オフィシャルサイト

音信不通だった父が2年ぶりに家に帰ってくる。「年末、家に帰ります」と綴られた手紙を受け取った長谷川家の次男・薫は、その年の年末に実家に向かった。母のつぼみ、父の昭 夫、妹の美貴、愛犬のサクラとと久々に再開する。けれど兄の一(ハジメ)の姿はない。薫にとってヒーローだったハジメは、2年前のある日、亡くなった。そして、ハジメの死をきっかけに家族はバラバラになった。薫は幼いことを思い返す。長谷川家の5人とサクラすごしたかけがえない日々だ。やがて、壊れかけた家族をもう一度つなぐ奇跡のような出来事が、大晦日に訪れようとしていた。

『さくら』のスタッフ・原作

矢崎仁司監督

本作を手掛けたのは矢崎仁司監督。

・スティルライフオブメモリーズ
・無伴奏
・太陽の坐る場所

などの作品も手掛けている。

脚本:朝西真砂

映画化の脚本には、朝西真砂さん。

主に矢崎仁司監督とタッグを組むことが多く、「スティルライフオブメモリーズ」や「無伴奏」などを一緒に制作している。

原作:西加奈子『さくら』

原作は西加奈子さんによる2005年の小説『さくら』。

『サラバ』で直木賞を2014年に受賞し、今作の原作である『さくら』は本屋大賞を受賞するなど。人気作を出している人気作家です。

『さくら』のキャスト

キャスト 役名
北村匠海 長谷川薫
小松菜奈 長谷川美貴
吉沢亮 長谷川一
寺島しのぶ 長谷川つぼみ
永瀬正敏 長谷川昭夫
ちえ サクラ
小林由依 大友カオル
水谷果穂 矢崎優子
山谷花純 須々木原環
加藤雅也 濱口先史
趙珉和 フェラーリ

長谷川薫と恋人の須々木原環、長谷川一と恋人の矢崎優子、長谷川美貴と友達の大友カオルと長谷川家を中心に物語が進んでいきます。

※以下、映画のネタバレが含まれますので映画をこれから本作をご覧になる方は見てたらにしてください。

【ネタバレ感想】

本作は長谷川家の兄弟が人と出会い心境の変化や人として成長していく物語です。

長谷川家の長男 長谷川一

長谷川一はスポーツも得意で容姿端麗でみんなのヒーローでした。

そんな、一に初めての彼女ができます。一は「次の日曜日彼女を連れてくる」と家族に言います。

日曜日に一は彼女(矢崎優子)を家に連れてきます。一の彼女は愛想が悪く、母の長谷川つぼみと妹の長谷川美貴は彼女にいい印象ではありませんでした。彼女は両親が離婚し母親と二人で暮らしていました。母親は愛人が居り愛人に母親がいつも殴られていたことから少し人間不信になっていました。

そんな彼女も一と付き合ってからしばらく経つと、明るい愛想のいい女性になっていました。

それから、彼女が九州に引っ越すことになり遠距離になってしまいした。

そこで、手紙で連絡を取り合う約束をします。

長谷川家の次男 長谷川薫

長谷川薫も高校生になり、彼女が出来ます。彼女の名前は須々木原環で同級生からは「玄関」と呼ばれていました。

薫は環によって童貞を喪失します。

薫は別に環のことを好き分かりませんでしたが。彼女の体に惚れていました。

まぁ中高生のときはこんなもんですよね。

長谷川家の妹 長谷川美貴

美貴は中学生になってから友達という存在が出来ます。友達の名前は大友カオルです。

カオルは部活が一緒で週に3回は家に来て一緒に夕ご飯を食べるほど仲良くなりました。

カオルは次第に同性の美貴のことを好きになりました。

長谷川家の長男の一が亡くなるまで

一は高校を卒業してから大学に進学し大学寮で過ごすため家を出ることになります。

そんな一が夏休みに家に帰ってくることになります。一の部屋で兄弟で話している時に一が時計の電池が止まっていることに気が付き電池を買いに行きます。

そこで、事故に遭い一は下半身の感覚と顔の右半分の表情を失います。そこから一は車椅子生活を送ることになり生きる活力を失っていきます。

そんなある日一はさくらと散歩に行きます。そこで、木に鎖をひっかけ首をつり亡くなります。

印象に残ったシーン

・長谷川家の母、長谷川つぼみが美貴に子供の作り方を教えるシーン

・美貴が一の葬式でヘラヘラ笑うところと失禁するところ

・一が事故に遭い顔半分がぐちゃぐちゃになっているところ

映画『さくら』の考察

長谷川美貴はなぜ長谷川一の葬式で笑って、失禁していたのか

映画『さくら』をご覧になった人は、わかると思いますが。このシーンなぜ美貴はこのような行動を取ったのか。

それは、それまでお兄ちゃんのことが好きだったけど気持ちを表に出せなかったものが葬式でつもりにつもって溢れ出したのかなと思いました。

実は主人公は美貴?

この物語の表向きの主人公は北村匠海演じる長谷川薫なのは、わかっていますが、小松菜奈演じる長谷川美貴を中心に捉えるとすんなりと内容が入ってくるんです。

冒頭のシーンでは美貴は犬を選ぶ権利があったにも関わらず薫が犬を選びます。そこから美貴は誰かを選ぶ権利、つまり誰かを好きになる権利が剥奪していきます。

幼少期からお兄ちゃんが好きだけど、家族だからその気持ちを伝えることができなかったり、中学生の時は相手のことを好きかわからなく、それは相手が女の子だから、周りの目が気になるからと。

自分の気持ちにブレーキをかけながら成長していきます。

次第に人の恋にもブレーキをかけてしまいます。お兄ちゃんに彼女ができた時、彼女が家に来た時は騒音を立ててイチャイチャを防ごうとしたり、文通も勝手に隠したり返信したりします。

そんな美貴もブレーキを取っ払って自分に正直に生ていこうと決心するシーンがあります。それは、愛犬のさくらの具合が悪くなります。そこで、車を運転していたお父さんが信号無視をします。そこで、美貴も自分の殻を破って成長できたと思います。

この映画『さくら』は主人公を美貴とした場合、自分の気持ちや人にブレーキをかけていた美貴が自分の殻を破り成長する物語とするとしっくり来ます。

まとめ

この物語はさくらが元気なときは家族も元気で、さくらが元気じゃないときは家族も元気がありません。

長谷川家といろいろな人が関わり合い複雑に絡まりあう物語でした。